cgmkの気ままにブログ

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IPEF 正式交渉開始へ

14か国、来月上旬に閣僚会合

 こんなニュースがありました。米国が主導する新経済圏”IPEF”の正式交渉が開始する模様。

www.msn.com

中国を排除する新経済圏は諸刃の剣か?

 記事にもある通り、IPEFの狙いは、経済安全保障の観点から「脱中国依存」を図ることです。私は米国主導のこの動きは、2つの視点で危ういと考えます。

① 機能を発揮せず、結果的に覇権国としての米国の影響力を弱体化させる可能性

 仕事柄、通商制度には一定の知識があると自負しています。IPEF構想の話を最初に聞いた時、正直「またか」と思いました。というのも、現状すでに多数の多国間協定及び2国間協定がある中、IPEFも他とあまり大差がない枠組みだと感じたからです。

 多数の経済連携協定が存在する現状を表す言葉として、「スパゲッティ・ボウル」があります。つまり、いくつもの協定(≒スパゲッティパスタ)が互いに絡み合い、複雑な構造に陥っていることを表します。

 IPEFは、民主主義の価値観を共有する国同士での枠組みということですが、ニュース記事の最終段落を踏まえれば、経済的利益の視点で各国の主張が折り合わなくなることは容易に想像できます。すでに多数の経済連携協定がある中で、IPEFに特有の内容・制度を設けることができるかがカギになります。

 仮にIPEF構想が頓挫した場合、それは米国の威信が失われることになります。そうならないために、日本をはじめとする幾つかの主要国でこのIPEF構想を何らかの形に仕上げることになると思いますが、意味の無い成果を上げてもむしろ逆効果かと・・。

 脱中国依存を図ることの重要性は否定しませんが、もう少し現実に即した小規模な枠組みづくりから始めるべきかと考えます。

② 「民主主義v.s.その他」の構造が世界経済を分断する可能性

 少し長期的な視点ですが、特定の国家を排除する経済圏の構築は、世界経済を分断し将来的には軍事的衝突をもたらしかねないと考えます。

 日本が第二次世界大戦・太平洋戦争に参戦した一つの理由は、ブロック経済への対抗です(尤も、”対抗”という生ぬるいものではなく、当時の日本は軍事力を行使せざるを得ないまでに経済的にも追い詰められたという方が正しいかと考えます)。

 ロシアによるウクライナ侵攻後、経済のブロック化が急速に進んだと実感します。つまり、ロシアへ経済制裁が科される中、反ロシア国家v.s.新ロシア国家and中立国家という分断が顕著になり、それぞれの国家間での新たな経済網が発展しつつあると思います。欧州・日本はエネルギー資源をロシアに頼ってきましたので、そこからの脱却に相当苦労する(国単位ではなく国民一人一人が物価高騰等に苦しむ)ことになりますが、それはロシアに経済制裁を打つと判断した時点で想定されたことです。米・豪・カナダと連携して新たなエネルギー供給網を構築していくことでしょう。一方、ロシア側も物資の輸出・輸入で苦戦していますが、すでに中国やASEAN地域の一部中立国との新たな経済網が構築されつつあります。

 グローバリゼーションが進み各国が互いに経済的に依拠する状態において、経済的繋がりは不要な衝突を防ぐ抑止力として働きます。一方、そこに経済的な繋がりがないのであれば、衝突を回避すべき理由はありません。むしろ自国がやられる前に相手国を占領してしまわなければ!となるでしょう。

 ロシア・中国が内部崩壊をしない限り、世界の分断は広がる一方と思います。「第三次世界大戦」といった大規模な軍事衝突にならないことを祈りますが、どうも歴史が繰り返されているようにしか思えません。

 

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